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サフラン・キッチン

ヤスミン・クラウザー著『サフラン・キッチン』を読了。

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うわー。愛って、忍耐・・・。

祖国イランを離れ、英国で生きてきたマリアム。だが、ある事件をきっかけに、40年間封印してきた故郷と恋人への思いを自ら見届けようと、英国を後にする。イラン系英国人作家によるデビュー長篇。


イランの話といえば、冬に見た、『ペルセポリス』を思い出す。

あの映画でも描かれたイランの動乱期のことがこの話にも関わってる。

基本は娘と母の想いなんだけど。

アリにしろ、エドワードにしろ、何て我慢強いんだ!

というか、いい漢すぎるよ、2人とも。

感情が細やかに書かれてて良かった。

マリアムが途中まで、自分勝手なように思えたりもしたけど、人間、自由でなければならんのよ、うん。

結局、故郷に帰りつくものなのかなあ。

イギリスからイランに戻ってきたマリアムと、一生故郷に縛られ、外に出たいと願うファーヌーシュ。

作者はどっちの国がいいとか悪いとか、そういうことは言わず、ただ現実をそのまま書いていってる。

人の気持ちとは、スパッと区切りがつくわけでもなく、色々と混じって巡り巡るものなのだなとつくづく思った。

オマル・ハイヤームとか、詩がたくさん出てきて、それが全部好み。

最初の詩を引用しておく。

ああ、愛しいひとよ、お互いに失うまい
心の真実を! この世はこうもさまざまに
美しくまた清新な 夢の国とも見えるけれど、
その実は、歓びも、愛も、光もなく、
確信も、平和も、苦痛を癒す術もない。
私たちが今ここに住まうのは、
闘争と遁走の叫喚がいり乱れ
けたたましく鳴りわたる暗闇の広野での
敵も味方も弁えぬ夜の戦闘さながらだから。
      
    ―マシュー・アーノルド 「ドーヴァの渚」

(本文では「広野」の「広」はほんとは日に廣だけど、出せなかったのでこの表記にした)

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